すでにカルテがなく初診の証明ができないと思われた事例
肝疾患(慢性C型肝炎・肝細胞癌)で初診が近所の病院。15年前なので、すでにカルテがなく初診の証明ができないと思われた事例
ご相談の状況
奥様との電話でのやりとりにて。
受診状況証明書を取得して申請を相談したこところ、これでは初診として認められないかもしれないといわれて不安になり、相談となりました。本人はギランバレー症候群での障害年金の相談で、当初は電話相談がありました。
初診だと思われた病院の受診状況証明書から前医があることが判明。
前医ではすでにカルテは破棄してある状態だった。15年前に紹介状を持参で受診した総合病院では紹介状も見つからずあきらめかけたが、紹介状が見つかり紹介状を添付して障害厚生年金3級を受給できたケース
社会保険労務士の対応
症状をお聞きしたとこと、ギランバレー症候群での受給は難しいと思われました。その後、肝性脳症を発症され、肝細胞癌があることが判明。初診と思われる総合病院で受診状況証明書を取得したところ前医があることが判明。前医での受診状況証明書を取得しようとしましたが15年前のことなのでカルテが破棄してある状態でした。
相談者さんが、紹介状を当時持参して受診した記憶があるとのことでしたので、総合病院へ紹介状の有無をお尋ねしたところ、残念ながら見当たりませんとの回答でした。
この時点で、初診の証明ができる可能性は、本当に低かったので前医の診察券(診察券だけはたまたまありました。)と受診状況証明書が添付できない理由書を作成して申請しようかと思いました。これでは受給が認められ可能性は低いことを相談者さんと奥さんにお伝えしました。 その際、奥さんとのお話の中で、当時肝炎だけでなく、体調不良のために総合病院であちらこちらの科で検査されたことを伺いました。
もしかしたら、肝炎や肝細胞癌と全く関連のない診療科に紹介状が保管されている可能性があるかもしれないと思い、文書課と相談して本人が診療された全ての科をさがしていただいた結果、前医の紹介状の写しが発見できました。
診断書を作成していただき、追記も完了しましたが、追記に時間がかかり全てが完了いたのは診断書の有効期限が切れる3日前でした。添付書類を整え有効期限の切れる前日に申請というあわただしい申請となりました。
結果
紹介状の初診日が認められ、障害厚生年金3級の受給となりました。
体調不良が長い為、いろいろな診療科を受診していたため思いがけない診療科で紹介状が見つかった稀なケースだと思います。
肝癌が進行し、体調が更に悪くなるようなら改定請求を予定しています。


