基礎知識
障害年金とは
障害年金とは、傷病によって、一定程度の障害の状態になった方に対して支給される年金です。厚生年金保険、国民年金、共済年金のすべてに備わっている、 老齢年金、遺族年金と並ぶ公的年金の一つでもあります。この年金は、障害を負ったことで国民生活の安定が損なわれることのないよう、 日常生活や就労する上で困難がある人に支払われるものです。原則として、65歳を過ぎた人は受け取れない年金であるため、若年者が受け取る可能性の高い年金でもあります。
障害年金の種類
ひとことに障害年金といっても様々な種類があります
■障害基礎年金
自営業者や専業主婦、学生などが加入する国民年金の期間中、病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。
■障害厚生年金
一般の会社員などが加入する厚生年金の期間中に病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。
■障害共済年金
公務員などが加入する共済組合の組合員期間中に病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。
受給のための4つの条件
障害年金を受給するためには、4つの条件を満たす必要があります。
傷病の初診日に年金の被保険者であること
日本国内に住所をもっている20歳以上65歳未満の国民であること
障害認定日の時点で病状が障害等級の1級または2級に該当すること
年金保険料が支払われるべき期間の2/3以上が納付済み、又は年金納付の免除を受けている
※ただし年金納付の条件を満たしていない場合でも、上記の初診日が2016年の4月1日より以前に発症した傷病による障害については、2016年の3月末までの特例措置として、障害年金を受給できる場合があります。
障害認定日の要件について
障害認定日の要件は2つあります。
初診日から1年6ヶ月経過したときに障害の1級か2級の状態にあること
初診日から1年6ヶ月経過する前に傷病が症状固定した場合で、治った際に障害の1級か2級の状態にあること
受給額の計算
障害基礎年金の受給額について
受給額 | 子の加算額 | |
1級 | 年間990,100円 | 第1子・第2子 各年間227,900円 第3子 各年間75,900円 |
2級 | 年間792,100円 |
子とは、請求時に「生存している」もしくは「妻の胎内に胎児として存在していた子が出生した」子のことを指しますが、具体的には下記のとおりです。
■対象者が18歳到達年度の末日を経過していない子
■対象者が20歳未満で障害等級1級または2級の子
障害厚生年金の受給額について
受給額 | 加算額 | ||
1級 | 報酬比例の年金額 | 配偶者加給年金額 227,900円 | 障害基礎年金1級受給金額 |
2級 | 報酬比例の年金額 | 障害基礎年金2級受給金額 | |
3級 | 報酬比例の年金額 (最低保証額年間94,200円) | - | - |
障害年金請求について
障害年金の請求方法
障害年金の請求方法には3パターンあります。
■本来請求(障害認定日請求ともいいます)
本来請求とは障害認定日から1年以内にする請求方法です。障害認定日以降3月以内の現症を記載した診断書1枚が必要です。年金は障害認定日の翌月から支給されます。
■遡及請求(さかのぼって支給されます)
遡及請求とは障害認定日から1年以上経過してしまってから請求する方法です。障害認定日以降3月以内の現症を記載した診断書1枚と裁定請求日以前3月以内の現症を記載した診断書1枚の合計2枚が必要です。年金は認定日から過去の分がまとめて支給されます。ただし請求時から5年以上前の分は時効により支給されません。
■事後重症による請求
事後重症による請求とは認定日には障害等級に該当していなかったが、その後、重症化したために請求する方法です。裁定請求日以前3月以内の現症を記載した診断書1枚が必要です。年金は請求の翌月から支給されさかのぼっての支給はありません。
3月以内の現症を記載した診断書とは医師が作成した日が3月以内という意味ではありません。 検査等を行った日が現症と記載されます。診断書には○月○日現症と記載されますので注意してください。診断書の赤字部分(現症日、日常生活および労働能力、予後)に記載もれがないか注意してください。